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リベリオン -2004.03.08- |
こういうコンテンツって最初が肝心であり、投げっぱなしにしたくないので書ける時に書いておく。僕以外、コンスタントに書いてくれる人がいないのは明白だ!
今回は映画のレビューをします。で、紹介するのは「リベリオン」。この映画、渋谷周辺映画館の伝統と格式を背負ってきたと言える渋谷東急文化会館の最後の上映作品だ。つくづく、東急文化会館はセンスがいいと思います。 こんな作品で閉館するなんて。 ちなみに“2003年僕が見た最高映画”はリベリオン。 タイムスリッピー!にも愛着があるのだが、はっきりいってダントツで「リベリオン」。実際、文化会館まで観に行ったほど「リベリオン」には当初から期待していた。違う意味でね。 だけど、予想以上に凶悪なフレーバーが漂っており、上映終了後はしばらく笑いっぱなしだったほどだ。
ストーリーはお近くのレンタル屋さんのパッケージの裏で確認してください。 説明するのがバカバカしいので。
一体何がこの作品をここまで素晴らしくさせたかというと、監督ヤン・デ・ボンの狂気と悪意に尽きる。この作品、「マトリックス リローテッド」の約一ヶ月前に上映されている。ここが最大の見所だ。全編を通じて明らかに「マトリックスよりも先にやっちまえ! 似たようなことを! え? 何でもいいんだよ! やっちまったもん勝ちだ!」というヤンの声が聞こえてくるかのような演出に、この監督の狂気と悪意をみました。 そのためストーリーの支離滅裂ぶりは筆舌に難く、一言でいえば「ありえない」。
ネタバレになってしまうので伏せておくが、主人公のとる行動が、いちいち「ありえない」。用心棒や座頭市などでみられる「お前(用心棒や座頭市)のせいで滅茶苦茶だよ!」というツッコミが、この主人公にも美しいほど当てはまる。そう、僕はこのクリスチャン・ベール演じる主人公に座頭市を見たのだ。ちょっと精神が不安定でアメリカナイズされた座頭市。目は見えるけど、心の眼が見えていない座頭市。結果として、あたりまえのように狂気と悪意が充満する。
おそらくはヤン・デ・ボン自身も「ヤベェ!」と思っているのではないか。 それでも、最高のエンタメになっているのだから人間の狂気の力とは度し難い。 こんだけ狂っていたら、とやかくいうのは野暮としかいいようがない。
東急文化会館、リローテッドよりも前に観る、という条件付きでしか醍醐味は味わえないような気もするが、見て損はないはず。「北斗の拳」好きは絶対見ろ。 |
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