最後に最近、とてつもない映画を観たのでここにさらしておこうと思う。 2002年のラジー賞を5部門も制覇した「フレディのワイセツな関係」なる映画。 この作品、当時ドリュー・バリモアの亭主だったトム・グリーン(コメディアン)が製作・主演・監督を務めたものなのだが、見事にその全てでラジー賞をとった異形の作品である。明らかにバリモアの資本で製作されただろうバリモアLOVEな本作は、『彼女のおかげで製作できた』という動きに反発するように悲惨かつ壮絶かつ豪快なギャグ満載のファニースメルを撒き散らし、ラジー賞受賞という枠だけにとどまらず『バリモアと離婚』という代償まで払うという最高のエンターテイメントぶりを発揮してくれた『Show the Flag』精神全開の映画である。
中島作品の中でも、一番に押す声も多かろう『総長の首』(1979年)は何から書いていいのか迷うほどの傑作だ。が、結局何から書くか解らないほどの傑作でもある。仁侠映画が、いつしかアナーキズム映画にシフトチェンジしていくさまは美しく儚い。童謡「しゃぼん玉」を“志を見失ったアナーキストの歌”と位置付け、渡世から爪弾かれていく小異を大同で私刑していく『アナーキー in 坐 浅草』の壮絶さ。空前の面白さと絶後の儚さを同棲させた、面白さの両親も儚さの警察も非公認の禁断映画がこれだ。
世間の体裁に振り回されることなく“いつも通りになまはげを演じ続けたであろうオジさん”たちに真の祭りの姿を見た気がしてならない。ガチャピンのチャレンジシリーズと同等の衝撃を体感できたことをただただ嬉しく思うのであります。その後の『なまはげとジャンケン大会』とか『山岳戦隊テングレンジャーショー』は片腹痛い茶番劇でしたので、結果的に「行って正解だったのか?」と問われれば「Only GOD knows」という他ないだろう。